移転実例

2024.09.26

広島から新たなビジネスモデルをつくる!

マンガアプリの開発などを手掛けるLink-Uグループ傘下として、2021年に設立された株式会社Brightech。東京本社の他に広島オフィスを構え、社名の通り「テクノロジー(Technology)で世界を輝かせる(Bright)」をビジョンに事業展開しています。広島での事業計画や求める人物像などについて、代表取締役の水谷亮さんに話を伺いました。

<プロフィール>
株式会社Brightech 代表取締役
水谷亮さん
1983年生まれ。

https://brightech.co.jp/

開発だけでなく戦略設計、運営支援まで手掛ける

―何をしている会社なのでしょう?
―水谷さん
 一言で表現すれば、広島に拠点を置くシステム開発企業です。具体的には母体であるLink-Uグループ(24年3月に持ち株会社化。開発などの業務はグループのLink-U Technologiesへ移管)と同様に、スマホなどの端末でマンガを読むためのアプリ開発や、企業の課題をDXで解決する事業などを手掛けています。スタートアップらしいスピード感やチャレンジ精神と、東証プライム市場に上場しているLink-Uグループ子会社としての安定感を併せ持った会社だと自負しています。

―事業の強みはどこにありますか?
―水谷さん
 システムを開発するだけでなく、ビジネスモデルの構築から運営まで一気通貫で対応する点にあると考えています。例えばマンガアプリの場合、紙の作品を端末で読めるようにするのはもちろん、ある作品を期間限定で1話から10話まで無料で公開する、購入者へのポイントを付与するといった施策を打ちます。出版元からすれば、無料の読者に「お金を払ってでも続きを読みたい」と思わせないといけないので、期間をどれだけの長さに設定するか、公開は何話までが適切かなど、見極めが重要。こうした戦略設計ができるメンバーを抱えているのが特徴です。

広島の人材は積極採用

―拠点を広島に置いた理由は?
―水谷さん
 広島県の企業誘致制度が魅力的だったこともありますが、正直に言うと、偶然の要素が強いですね(笑)。弊社のようなデジタル系の企業はビジネスチャンスの多い東京に集中している分、競争も厳しい。そうした背景からLink-Uが和歌山県にオフィスを開いたところ、地方にも優れた人材や商機が多くあることを知りました。そこでBrightechでは、政令指定都市クラスの街に拠点を置くことにしました。広島の大学教授や自治体とつながりを持つ人間が社内にいたこともあって、広島市中区大手町にオフィスを設けたのです。

―広島の人材はいかがですか?
―水谷さん
 優秀な学生が多いと感じます。設立直後に2人のエンジニアを県内の大学から採用し、活躍してくれているほか、25年春の入社内定者もいます。弊社の現在のクライアントは東京が多く、広島の開拓が進んでいないので、市場をよく知る地元の学生は積極的に採用する方針です。

―広島でどのように事業展開するのでしょう?
―水谷さん
 特に製造業などBtoB企業に対してDXを推進していきたい。そもそも弊社が考えるDXとは、デジタルで無駄な仕事やコストを省くだけではありません。業務効率化によって人間がより力を発揮できる環境をつくり、結果として世の中が良くなることだと考えています。またマンガアプリを例に挙げると、マンガが紙だった時代の市場規模は右肩下がりでした。しかしアプリで作品を楽しめるようになり、国内だけでなく海外にも日本のマンガは広まっています。こうした、新しい市場を切り開き、クライアントの業績が大きく伸びるようなデジタルの活用法を広島で提案していくつもりです。

「働きやすさ」と「働きがい」は別

―働きやすさのための取組は?
―水谷さん
 スタートアップらしく、リモートワークなど柔軟な働き方は可能です。またLink-Uとも内容を共有できるチャットツールなども導入し、一緒に大きなプロジェクトに関わることもあります。

ただ「働きやすさ」と「働きがい」は別です。働きがいは、仕事を通じて自分を成長させることで得られます。そのためには例えば上長からのアウトプットを受ける、顔を合わせて意見を戦わせるなど、対面でないと伝わらない要素もあります。古い言い方ですが「同じ釜の飯を食う」のマインドを持っていないと、自分や組織の成長は実現できないと考えています。

―成長を何より重視しているのですね。
―水谷さん
 はい。会社である以上、個々が能力を伸ばし、それを業績につなげないといけません。システム開発という業種は、クライアントから言われた通りの製品を作らなければいけないこともありますが、意識としては先ほど述べたように、新しい事業を作り上げるぐらいの強い意志を持っていてほしい。採用の場面では、仮にアプリエンジニアは未経験であっても、成長への貪欲さとポテンシャルを感じられれば採用します。

―最後に、今後の夢を教えてください。
―水谷さん
 「成長」と力を込めて言いましたが、まだ弊社は人数・事業規模ともに小さく、社員や地場企業を十分に成長させられているとは言えません。歯がゆさを感じています。広島の特徴であるスポーツへの熱などを絡めながら、企業・自治体と連携し、地域を盛り上げるための事業を生み出していきたいと思っています。

<プロフィール>
株式会社Brightech 代表取締役
水谷亮さん
1983年生まれ。埼玉県出身。慶應義塾大学経済学部卒業。2007年に新卒で大和証券SMBC(現:大和証券)に入社し投資銀行業務に従事する。その後、複数の企業の設立に参画して経営企画を中心にIR、経理、法務、総務、人事などの業務を経験。2021年3月に株式会社Brightechを設立し、代表取締役に就任。

ライターはこう思った!
マンガアプリは多くの人が一度は使ったことがあると思います。
アプリのように手軽な話が多いのかと思いきや、新たな価値の創造、成長へのこだわりなど、強い気持ちを終始感じるインタビューになりました。
「働きやすさ」を重視する人が多い一方、「働きがい」が大切だと説く水谷さん。
「DXの目的は無駄の削減ではない」、「リモートには限界がある」など歯に衣着せぬ言葉からは、物事の本質を追究する姿勢が感じられました。

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