進出企業インタビュー

2023.02.12

東京生まれ東京育ちの20代ラボ長に、転職なき移住の「不安と現実」を聞いてみた

  1. COCODEMO江田島ラボ
  2. 江田島

広島市の沖合、瀬戸内海に浮かぶ江田島(えたじま)は、瀬戸内有数の夕陽スポットとして知られています。瀬戸内海の中では4番目の大きさを誇る島には、旧海軍兵学校や、旧陸軍砲台跡などの多数の戦跡レガシーに加えて、トレッキングやカヤックなどのアウトドアも盛んな島。
そんな江田島に東京から家族とともに移住した川森聖也さん。勤務先であるバレットグループ株式会社のサテライトオフィス「COCODEMO江田島ラボ」を訪ね、転職なき移住後の仕事と暮らしについて、聞いてきました。


<プロフィール>
バレットグループ株式会社テクノロジー&デザイン部 COCODEMO江田島ラボ ラボ長 川森 聖也さん
東京都生まれ。大学卒業後、SESエンジニアとしてキャリアをスタート。WEBシステム開発、スマホアプリ開発、ITインフラの設計・構築・運用などに携わる。2019年、バレットグループに中途入社。2021年、同社の新しい開発拠点「COCODEMO江田島ラボ」を訪れ、江田島市の景観に心を奪われる。同年、家族とともに移住。ラボ長としてのマネジメント業務や、地域の教育活動などに従事しながら、江田島での暮らしを満喫中。https://cocodemo.bltinc.co.jp/

「いつか田舎で暮らしたい」そんな願望を現実に!

家族と人生を送る場所として選びました。

―江田島市に移住したきっかけを教えてください。

―川森さん 当社が江田島に「COCODEMO江田島ラボ」を開設したばかりのころに、CSR活動の一環として、小学生対象のプログラミング教室を実施しました。そのときに講師として訪れたのが、きっかけです。
東京生まれ・東京育ちの私にとっては、海の中に小さな島々が連なる風景が新鮮で、一瞬にして魅了されました。
実は昔から「いつか田舎で暮らしたい」という願望があったので、この出張を機に「江田島移住、いいかも」と思い始めたんですよ。

―知らない土地への不安や、家族の反対はありませんでしたか。

ー川森さん 江田島を知る前は、勝手なイメージで「限界集落みたいな島だったらどうしよう」という一抹の不安がありましたよ(笑)
でも実際は、大きなスーパーはあるし、島といっても呉市とは橋で繋がっているので車で移動できる。さらに船を使えば広島市へも30分でアクセスできる。生活するのに何の不便もないなと。
「江田島ってどこ?」という反応だった妻も、週末に観光がてら江田島を訪れるとすぐに移住に乗り気に(笑)なんとその夜のうちに賃貸アパートを探し、物件を見に行って、即契約という流れで移住に至りました。

―すごい。スピード移住ですね。

ー川森さん 妻も江田島を大好きになったのは大きな要因です。移住後に生まれた第一子の名前には、瀬戸内の「瀬」の文字が入っています。

東京本社と同じ給与体系で海ビュー勤務。昇格・昇給も。

窓辺のデスクからは開放感ある港の風景が。

―  移住後の仕事についても教えてください。

ー川森さん 移住は会社も歓迎してくれて、「COCODEMO江田島ラボ」のラボ長として勤務することになりました。
仕事は、同社の東京時代から引き継いだクライアント案件+江田島での新案件に、本社スタッフと連携しながら対応しています。

― まさに転職なき移住ですね。

ー川森さん そうなんです。江田島に移住しても、転職したわけではないので、社内の人間との関わりは同じ。一から関係を築く苦労はなかったですね。
それに、給与面の不安がないというのも大きなポイントでしたね。本社と給与体系は全く変わらず、昇格・昇給ができました。

― 江田島ラボでは、みなさんどのような働き方をされているのですか?

ー川森さん 私は江田島に移住して、ほぼ毎日歩いて出社していますが、他のメンバーは広島市内から船で通勤したり、リモート中心で働いたりと様々です。
今日、出社している定木拓也(さだきたくや)さんは、江田島ラボ開設を契機に入社して、広島に移住したメンバーです。船で通っていますよ。

ここで、話題に上がった定木さんにも移住のきっかけを聞いてみました。

定木拓也さん。オフの日も江田島に通ってSUPの練習に励む。インストラクターを目指しています。

ー定木さん 神奈川県生まれですが、祖父母は広島の人。ゆかりがある土地でしたし、自然豊かな環境で仕事したいという思いも強くて、江田島へのIターンを前提に入社しました。
今は、広島市内から路面電車+フェリーで外の景色を楽しみながら通っています。海を見ながら通勤するなんて、関東圏ではすごく贅沢なことなんですよ。

ーなるほど。海を見ながらの船通勤は、リフレッシュできるし、残業も減りそうですね。

「COCODEMO江田島ラボ」は中町港から徒歩1分。高速船で広島市内まで30分。

シェア畑やSUPで島暮らしを満喫。広島といえばの新しい趣味も

人と人がつながりやすい、と話す川森さん。

― 移住してもっとも変わったことは何ですか。

ー川森さん 一番は、満員電車の通勤ストレスから解放されたこと!その分、仕事に集中できます。それから、週末も外に出かけることが多くなりました。
家庭菜園に興味があって、今は4家族のシェア畑で野菜を育てているんです。そして、同じくシェア購入したSUPで夏は海に遊びに出たり……。
もともとコミュ力に自信がない方でしたが、江田島では知り合いが次の知り合いにつないでくれる。この良い循環で、自然に仲間が増えました。
人と人がつながりやすいのが江田島の良さ。移住者も徐々に増えていて、週末にはあちこちで小さな市(イベント)が開かれていて、楽しいです。

― 新しい趣味もできましたか

ー川森さん そうですね、プロ野球に全く興味がなかったんですが、広島に来たからには「カープを応援しなくちゃ!」という思いで観戦に行くようになったし、そこから派生して、地元プロバスケットボールチームのドラゴンフライズの試合も見るようになりました。
「広島」と名のつくチームに愛着が湧いてきて……地元意識が芽生え始めたんですかね! ? ただ、Jリーグだけは横浜F・マリノスのファンです(笑)

― 広島、江田島を満喫されていますね。地方進出を考えている企業にメッセージをお願いします。

ー川森さん 江田島に越してきた当初は、「東京者が来てる」と敬遠されるのでは?という不安がありましたが、実際に住んでみると島の人はみんなすごく温かいです。
当社のようなIT企業は東京に集中していて、向こうでは互いに競合の存在。江田島には、同時期に拠点開設をした3社のIT企業がありますが、みんなで協力しようという横のつながりがあります。これから一緒に江田島市を、広島県を盛り上げたいという会社に、ぜひ仲間になってほしいです。

ライターはこう思った!

川森さんの話を聞いて、一番驚いたのが、移住までの決断の早さ。
どこでも仕事ができる時代、デジタル系企業ならではのスピード感とはうらはらに、プライベートではのんびりと家族で、島の人たちとの交流を楽しむ暮らしぶりがとても印象的でした。バレットグループの進出に続き、江田島にはIT系企業の進出が目覚ましいです。彼らがなぜ江田島を選んだのか、今後も注目していきたいと思います。

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